「お前、またヒロのこと見てんだろ」

「ばか、違うし」

一応否定はするけど、今私は本当にヒロのことを見ていたんだ。

ヒロの斜め前にはマナの席があって、楽しそうに話をしている二人を。


いつもだったら私もマナの席に行ってヒロとも喋るのに、最近はそれをすることができないんだ。

だって、大嶋にからかわれる気がするから。


澤田のときもそうだったけど、大嶋の勘はなぜかするどくて、私がヒロを好きなことをあっさりと見抜かれてしまった。


だからといって、私がヒロと話しているときに大嶋が茶々を入れたりするわけではない。

でも私が緊張している様子や、ヒロとの会話で嬉しくなったりとか、そういうのが全部大嶋にバレてしまうのが恥ずかしかったんだ。