朝のホームルームが始まる前に、後ろの席の大嶋から声を掛けられた。

「昨日ヒロにちゃんと家まで送ってもらったのか?」

昨日のことを思いだしてしまい、心臓が途端にバクバクと鳴り出す。


「うん、ちゃんと送ってもらったよ」

「そっか、よかったな」


……うん。よかった。

大嶋の言葉に素直に頷いてから、あれっと思い焦り出す。


「え、よかったって何が!?」

大嶋は少しいたずらっぽく「別に」って言いながら笑った。


……私ってわかりやすいの!?

ヒロへの気持ちが大嶋にバレてしまったんだろうか。


慌てて前を向くけど大嶋から視線を感じてしまい、私は落ち着かなくなってしまった。