「つらいなら無理してやめなくてもいいと思うけど。

だけどあっかが切り替える気があるならタイミングはいいかも。

同窓会もあるしさ、新たな出会いに期待しようよ」


「あんまり期待はしない。どうせみんな結婚してんじゃない?」

「それはわかんないよ。現にマナたちは二人共独身じゃん」


結婚か……

大樹といるうちは縁のない言葉だと思っていたけど、同窓会をきっかけに私の人生が何か変わったりするのかな。

そのあともマナとは夜遅くまで中学校時代の思い出話で盛り上がった。


そして私はその晩、中学校時代の彼の夢を見た。

その内容は覚えていないけど、彼の言った一言だけなぜだか記憶に残っていた。


『なあ宮西。俺はお前のことが最初から好きだったんだよ』