「真冬お姉ちゃん、丸瀬先生って知ってる?」
迷うよりも先に言葉が出てた。
真冬お姉ちゃんはうちの高校の卒業生で・・・
「丸瀬・・・って光先生?」
お見舞いに持って来たりんごをむく手を止めた真冬お姉ちゃん。
「う、うん。」
いきなり丸瀬先生の名前なんか出したから当然真冬お姉ちゃんは
「ともちゃんってば、あんなのいいの?」
呆れた目つき?
「いいってゆ~か・・・」
付き合ってるとは言えない
でも
「ファンなのね?」
むいたリンゴを自分で食べてる真冬お姉ちゃんに
「ちょっと頂戴。」
「はい、どーぞ。食欲あるみたいだから恋の病も大丈夫みたいね?」
真冬お姉ちゃん私がただ憧れてるって思ってくれて
「まあ・・何でも知りたいって気持ちもわかるけど・・・
知ってるって言ってもねえ・・・
私が3年生のときに新任で来たから1年間のことだけど?」
丸瀬先生について知ってること
当時の丸瀬先生は、教師になりたてで・・・
「絶大なる人気を博してたよ。」
「絶大なる・・・かあ。」
確かに今も人気はある。
共学なのに同世代に目を向けないで何であんなおっさんにって最初は思ってた。
だけど
「そんなムチャクチャ年が離れてる訳じゃないし、ともちゃんの年ごろって大人の男に憧れるじゃない?
しかも、ちょっとワルっぽいとこもあったりするとね。」
茶パツにピアスとか?
「あのピアスって『本気』の数らしいよ。
まあ、あの人の本気ってどうよ?って感じだけどねえ。」
『本気』の数・・・って?

