ハートに触っちゃダメです!


「浅見、ケータイ無いしお家に電話するのもなんだから直接来たの。


でも、お取り込み中だったみたいね?


だから、上がって待たせてもらっちゃった。」


普通にそう言ったゆりちゃん。



今言ったよね?


『お取り込み中』・・って





まさかと思いつつも



思わず母親の方を見た

けど

「とも、どうしかしたの?」


母親は、何も知らない様子



「う、うんん。」

慌てて首を横に振り


「ゆ、ゆりちゃん、ここじゃなんだから私の部屋行こう。」


ゆりちゃんをソファーから立たせようとしたら


「ちょっと待ってね。」


私にそう言ってからゆりちゃん

ティーカップを両手で持って紅茶を飲み干し


「おば様、このお紅茶とっても美味しかったです。」


うちの母親に笑顔ふりまいてティーカップもって立ち上がるゆりちゃん。



「あら、奈良坂さんったら片付けてくれなくていいのよ?」


「えっ?でも、急におじゃましてしまって・・・」


なんだかわざとらしいぐらいいい子なゆりちゃん。


「奈良坂さんったらホントいいお嬢さんねぇ。

うちのともなんか何も手伝いなんかしないわよ。」


両手を腰にあてて


まだ夕食の後片付けの終わっていないキッチンの方を見る母親に



「あとで手伝うから!」


今の私には

目の前のゆりちゃんのことしかない。


こんな言い方

親友に対して変かも知れないけど


『気味が悪いくらい』

いい子に見せてるゆりちゃん



何かが起こる前触れみたい?



もう


リビングから連れ出すことしか頭になかった。



そして・・・