体調が良くなってきたとはいえ、葵を屋敷に一人いさせるのも心配だった。


宇津木をはじめ、邸の者はパーティーの準備で大忙しだ。


普段使われていない敷地内にある建物を何年ぶりかに使うのだ。


テニスコート2面以上の広さのホールを掃除するのは大変な作業だ。




紫月がどうしても仕事に出なくてはいけない日は恭臣に来てもらった。


彼自身も忙しいのに嫌な顔せずに来てくれる。


恭臣が来てくれる時間は葵の笑い声が屋敷に響いた。


耳の調子はまだ良くなっていなく疲れやすいが精神的に落ち着いてきた葵は気にしないようにしていた。