助手席から振り向いたママの顔が脳裏に張り付いて忘れられない。


すっかり夕食を吐き出してしまったのにムカムカとまだ治まらない。


それほど悪夢を見たショックが大きかった。


手足、全身がしびれた感覚。



(紫月・・・助けて・・・助けてよぅ・・・)



傍にいない紫月を求める。



ぎゅっと抱きしめて欲しい。



(テロで亡くなった時ですらこんな悪夢は見なかったのに・・・)




まだ時刻は真夜中。


その夜、葵は眠る事が出来なかった。