カクレオニ

























































































「結花!」














「っえ?」










「もう、全然反応しないから」












見ると、横に座っていた玻璃が目の前で私に手を振っていた。









「ごめん、ぼーっとしてた」










「ダメだよ気ぃ抜いたら。いつ鬼が来るかわからないんだから」




玻璃は私が気づいたとわかると、すぐに立ち上がってドアへと歩いて行った。











そうだ。今は隠れ鬼をやっている最中。

気を抜いてたらすぐ捕まって、足の遅い私はこの校舎で残り20分間走り続けなければならない。




こうしちゃいられない…か。















「どう?足音とか聞こえる?」










私は静かに立ち上がって、廊下にもれないように小声で言った。










「……いや、多分大丈夫。体力も回復したし、行くなら今だね」











玻璃は一センチにも満たない程開けたドアの隙間に、耳を押し付けながら答える。












「最初に見つかったのは優介だって放送で流れてから、もう何分たったんだろ」














私はちらりと黒板上の時計を見る。





まだ20分弱ってとこか…






鬼の交代については放送されていないから、きっと優介は逃げ切ったんだろう。


















「どうする?どこに行く?」












「うーん、どこって言っても…」







うちの学校は、本舎の「普通科」が3階分あり、渡り廊下で繋がっているもう一つの2階建ての副校舎の1階が「商業科」と「情報化」の就職コース。2階が部室棟となっている。





私たちが今いるのは普通科の2階。





今出ていって見つかるとしたら、この並びに鬼がいるか、窓から見える部室棟にいるかの二択だ。

もしかしたら移動の途中で階段を使ってくるかもしれない。














「そういえばちょっと前、結花がぼーっとしてる時に、3階のここの真上の通りをすごい足音がダダダーって走る音聞こえたよ」









玻璃が思い出したというふうに手を叩き、ドアからこちらへ振り返る。