「そう、やっぱりこのルールじゃ、少なくとも学校では出来ないはず」 「やっぱりそうだったんだ」 (え?) 私が放送をかけるとかすれば…と、冗談交じりに言い出そうとした直前だった。 真希が背をもたれていた壁から立ち直り、まっすぐとこちらをを見据えている。 「真希?どうかしたのか」 陵汰が振り向いて言った。 (…真希?) 何故なのかはよく分からない。 けど、 階段で見た、あの真希が あの怯えた表情が 私の頭の中で、ぐるぐると回り続けた。