その場にいた全員が、それぞれ「ふーん」「そう」という反応をとる。











(120秒って…2分。長くない?)








みんなそこまで嫌がってはいないようだし、これなら隠れ鬼できるんじゃ…










私は今の説明を頭の中で反復する。































あれ?

















「じゃ、ここまでで質問あるか?」






「あ、ねぇ」







優介があたりを見渡して言った。










私は1歩前に出る。




















「今の説明だと、最初はみんな校内のどこかに隠れるっていうことだよね」







「まあ、そうだな」





















やっぱりおかしい。















「じゃあこのルールは成立しないよ」










私は全員の視線を一身に浴びながら言い放つ。















「なにそれ、どうして?」









玻璃が言う。











「だって逃げる人が隠れないと始まらないってことは、誰が見つかったとか、そういうのってこんな大きな校舎じゃ皆がいっぺんに把握するなんて、普通じゃできないはずだよ。だけど今優介が話してくれたルールだと、その手段があることが前提で成り立ってるじゃない。」











口に出して改めて気づく。




私が知っている隠れ鬼のルールと、このルール。私が感じた違和感はきっとこれ。
























「なるほど、辻褄が合わないってことか」












優介に咎められてから黙っていた翔が、いきなりはっとしたように躍り出た。