「真希ー」
どこいったんだろ…
待ってるって言ってたけど、教室の前とかではなかったみたいだし。
見たところ、廊下にもいない。
他に真希が行きそうな場所といえば…
「んー…」
真希はいつもふらーっとどこかに行っちゃう癖があるから、こういう時困る…
私は歩いていた足を止める。
完璧に行き詰まっていた。
「結花」
声がきこえたのは、待ち合わせ場所とは反対側の、A組横の階段からだ。
咄嗟に右を見て、踊り場へと視線を上げると、そこには手すりに掴まって階段を降りてくる真希の姿があった。
「真希!探したよ」
真希を視界に捉えた私は、ほっと安堵のため息をつく。
「うん、ごめん」
(…?)
真希は最後の一段を降りきると、私をじっとみつめる。
「ど、どうしたの?」

