私もそれにつられて、何か変わったことはないかとみんなの方を見る。










だけど、案の定目に見える異変はなく、玻璃達が座っている場所も、周りで談笑している生徒も、自販機でさえいつも通りだった。











「んー…そんなことないと思うけど」








私は左から陵汰のいる右へ視線を戻す。













「……」







「陵汰?」














陵汰は私の言葉に反応もせず、最早メロンパンを放り出して、私を通り越してじっと辺りをを見つめている。


















(どうしたんだろ)









陵汰は週に3〜4回は食べるくらいメロンパン大好きなはずだ。



それに細かいことにいちいち構うような性格でもないので、『違和感』程度を気にするなんて珍しい以外の何者でもない






ましてやメロンパンを前にして。








だけど陵汰はそんなことそっちのけで、眉間にしわを寄せてまで、飽きもせずメガネ越しに辺りを睨みつけていた。