私と真希の声が重なる。












「それより、今日の放課後って一体何するんだ?」






こちらに向かって歩を進めながら、天海翔は私と同じ質問を玻璃に投げかける。






「もう、翔まで同じこと聞かないでよ!秘密だって言ってるでしょ」






玻璃はこれ言うの何回目だと思ってるの!?と翔に怒ったあと、






「翔も陵汰も、言ってもわかんないなんて馬鹿じゃないの?」




優介の腕にしがみつくと、舌を出してふたりを挑発するのだった。







「えぇ…ごめん」






翔は玻璃の剣幕に気圧されながら、全く状況を理解出来ずにたじろぐ。



一方陵汰は…









「馬鹿ってなんだよ」



むっとしたように口を尖らせ、慌ててメガネを直していた。




陵汰はこういうとき、右手の人差し指でメガネを押し上げるのが癖だ。




去年も初めて話した時には何度も何度もメガネを触るものだから、私は少し引いたのを覚えている。



陵汰は眼鏡かけてるくせに勉強出来ないけど、他のことならなんでも器用にこなしてしまう。

顔が特別言い訳でもないけど、身長も182cmと大きめだし友達も多い方だ。



だからなのかな…
最近陵汰はモテ始めている。








この間だって告白されたっていうのを聞いたし、私自身陵汰を好きな子を数人知ってるんだから。


















だけど私は…


































































「なぁ結花、なんか違和感ないか?」








「は?」































ホールの時計が午後12時50分を指す。






恵里香、翔、真希、玻璃、優介、陵汰、そして私の7人は、毎日昼食を食べているホールで長椅子調のソファに腰掛け、それぞれのお弁当を広げている最中だった。












「違和感って…」






私の横でソファの一番端に座った陵汰は、メロンパンの包装を開ける手を止め、他の5人をじっと見つめている。