大雅が眠れなくなったのは琉斗が事故にあったからだ。


せっかく眠れたのに夢の中でまで琉斗のことでうなされるなんて……可愛そう。


今日は眠れたけれど、明日からはどうなるかわからない。


このまま試合に臨んでも、大雅の本来の力は発揮できないかもしれない。


「どこまで大雅の邪魔をするつもり?」


あたしは小さくそう呟いていた。


知らない間に写真が手の中で握りつぶされていることに気が付いた。


琉斗の事はあたしも友達だと思っていた。


大雅にとって大切な人だと言う事もちゃんと理解していた。


だけど今は、その存在が疎ましい。


両足を使えなくしたのに、琉斗という存在はまだまだ大雅に絡み付いている。


あたしはゆっくりとスマホを取り出して、手の中で潰されている写真を撮った。