琉斗の足がなくなってから数日経過し、土曜日になっていた。


あたしは1人学校近くのコンビニの前で2人を待っていた。


「おまたせ心!」


そんな声が聞こえてきて振り返ると、紀子と愛の姿があった。


2人とも地味な私服姿だ。


あたしも、グレーのTシャツに白いハーフパンツととても地味な格好をしている。


3人でこれから琉斗のお見舞いに行くのだ。


「おはよう2人とも」


手を上げて返事をすると2人は駆け寄って来た。


「今日はよく晴れたね」


愛が空を見上げて眩しげに眼を細めてそう言った。


学校が午前中で終わった日から昨日まで、ずっと雨の日が続いていたのだが、今朝になってようやく晴れたのだ。


アスファルトは少しずつ乾き始めていて、足元からムシムシとした熱気を感じていた。


「よく振ったよねぇ」


紀子はうんざりするように眉を寄せてそう言う。


あたしたち3人はバスに乗り、病院を目指した。