一気にそんな気持ちが沸き起こって来る。


「本当のことだったよ」


大雅が笑顔を浮かべたままでそう言った。


ほんの少しの期待は一気に砕け散り、あたしはまた笑顔を失った。


「今日は練習の後にレギュラー決定のお祝いがあるんだ。琉斗のために盛り上げてやらないとな!」


「……大雅はそれでいいの?」


思わず、そう聞いていた。


大雅は「え?」と、聞き返して来る。


「あれだけ練習していたのにレギュラーになれないなんて、大雅はそれでいいの?」


あたしは真っ直ぐに大雅を見つめてそう聞いた。


今回の選抜はおかしい。


あたしは本気でそう感じている。


「いいってワケじゃないけど、これが今の俺の実力ってことだな」


大雅はそう言い、ポリポリと頭をかいたのだ。


「なんで? なんでそんなにのんびりしてられるの?」


「どうしたんだよ心。1年生でレギュラーなんて、普通じゃ考えられない事なんだぞ?」


「そんなのわかってる! だからこそ大雅が選ばれるって思ってた!」


アプリを使って線まで引いたのに!!


「心……。俺の事を一番に応援してくれて本当にありがとう。次は選ばれるようにもっともっと頑張るからな」


大雅はそう言い、ほほ笑んであたしの頭を撫でた。


なんでこんな時に笑っていられるの?


あたしだってこんなに悔しくてどうしようもない気持ちで一杯なのに……!


あたしはグッと下唇を噛みしめて拳を強く握りしめたのだった……。