あたしは余計な事をしてしまっているんだろうか?


レギュラーに選ばれるのは絶対に大雅の方がふさわしい。


それをみんなにわかってもらいたいだけなのに……。


「……心の気持ちは嬉しいよ。俺の事をいつも必死で応援してくれてる」


大雅はそう言うと、あたしの頭をポンッと撫でた。


「大雅……」


「だけど、レギュラーに選ばれるかどうかは俺次第なんだ。練習を重ねて、結果ダメならそれでいいんだ」


それでいい?


あたしは大雅の言葉に目を丸くした。


「選ばれなくてもいいってこと?」


「そうだよ。やるだけやって無理なら、後悔はしない。少しは落ち込むと思うけれど、俺はまだ1年生だ。試合はまだまだ沢山ある」


確かに試合は沢山あるかもしれない。


けど、今の努力が身にならなくてもいいって言うの?


そう聞きたいけれど、喧嘩になってしまいそうで聞く事ができない。


大雅の言いたい事は理解できる。


理解はできるけれど……納得はできなかったのだった。