大雅の試合の日にはあたしがお弁当を作る。


それがいつものやり方だった。


スタミナがついて、サッパリ食べられるものを考えなきゃ。


「そういえば、最近あの2人仲が良いよな」


大雅が教室の入口を見てそう言うので、視線を移動させていく。


そこには今来たばかりの紀子と愛の姿があった。


2人ともとても楽しそうに笑っている。


「そう……だね……?」


愛と紀子が気が合うのははじめから知っていた。


だけどクラスの中では最近になって急激に仲良くなっているという認識をされているのだ。


「心があんなこと言い出した時にはどうしようかと思ったけど、結果オーライってやつ?」


大雅にそう言われ、あたしは曖昧にほほ笑んだのだった。