それから季節は流れ、秋が来ていた。


最近のあたしの日課は放課後のグラウンドでサッカー部の練習を見る事。


特に、赤瀬君と松若君はサッカー部の練習が終わってからもずっと頑張っている。


その姿を見るのが好きだった。


「15分休憩!」


監督からの指示が飛んで、赤瀬君と松若君がベンチへと戻って来る。


肌寒い日でも息を切らして汗をかいている2人を見るのが、あたしはとても好きだった。


赤瀬君は真っ直ぐにこちらへ向かって歩いてくる。


その姿にあたいの心臓はドクドクと高鳴りはじめる。


いつからだろう?


赤瀬君の事をそんな風に見始めたのは。


気が付けばあたしは赤瀬君ばかりを目で追うようになっていた。


きっと、好きなんだと思う。


だけど、この気持ちを伝える事はできなかった。


だって赤瀬君には……。