あたしはスマホを片手に持ち、アプリを起動させた。


涙で目の前は歪んでいるけれど、あたしと大雅が笑顔で写っている写真を選択することができた。


「あたしたちの関係を切り取れば、全部が元通りになるのかな?」


自分の声が震えていることに気が付いた。


怖い。


悲しい。


苦しい。


あたしは大雅の事を完全に忘れてしまうんだろうか?


大雅も、あたしの事を完全に忘れてしまうんだろうか?


中学時代に同級生になった事も、付き合い始めた事も、初めてのキスも。


好きだと言うとてもとても大切な気持ちも全部……あたしは失ってしまうんだろうか?


怖くて怖くて仕方がなかった。


でも、後はもうこうするしか方法を思いつくことができない。


あたしは小刻みに震えている指先で自分と大雅の間に線を引いた。


《2人ノ関係ヲ切リ取リマスカ?》


その文章に、一気に涙は溢れ出した。


子供のようにしゃくりあげて泣く。