それからあたしたち3人は学校を抜け出して一旦着替えをし、大雅の行きそうな場所を探し始めた。


大雅とよく会っていた場所は駅前の大きなお店だったり、街の中心部をブラブラと歩いたりする程度だった。


それ以外はほとんどサッカーの練習場や、河川敷で1人で練習する大雅を見守っていた。


大雅との記憶をよみがえらせて行ってみても、やっぱりサッカーをしている姿がほとんどだった。


「サッカーの練習をしてるのかも……」


あたしは小さく呟いた。


「でも、サッカーはもう辞めたんだよね?」


愛がそう聞いてくる。


「うん……。でも、大雅が行きそうな場所なんて思いつかなくて……」


いつも遊びより練習を優先させていた大雅。


「とにかく、心の記憶を頼りに探してみよう」


紀子にそう言われ、あたしたちは河川敷へと足を向けたのだった。