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授業は始まっていたが、あたしと紀子と愛の3人は帆と目につきにくいグラウンドの隅にいた。


今はグラウンドを使っているクラスもなく、誰にも気が付かれていない。


「実は今朝ね……」


あたしは気持ちを落ち着かせて今朝起きた出来事を2人に話はじめた。


大雅に誘われた事、それを断り、1人で駅に行った事。


そこであの2人組に出会い、脅された事。


「なにそれ、大雅君最低!」


あたしの話を聞き終えた愛が苛立ちを隠そうともせずにそう言った。


「愛の言う通りだよ。借金してたなんて最低」


紀子も同意している。


あたしも2人と全く同じ気持ちだった。


できれば大雅となんて二度と会いたくないし、大雅を好きだったと言う気持ちも今は全く持てていない。


だけど、大雅と会って事情を説明しなければ、あの2人はまたあたしの前に現れるかもしれないのだ。


それだけは絶対に避けたかった。