大雅がサッカーをやめて一週間が経過していた。


放課後になると友人たちと一緒に教室を出る大雅。


あたしはノロノロと帰る準備をして、大きくため息を吐き出した。


「心、元気出しなよ」


紀子がそう言い、あたしの背中を痛いくらいに叩く。


「うん……」


「今日は一緒に買い物でも言って、気分転換しない?」


そう誘って来たのは愛だった。


あたしは紀子と愛を交互に見つめる。


2人の関係は完全に元に戻っているように見える。


大雅と琉斗の関係はサッカーをいう共通点があってこそ結ばれていた。


2人からその共通点が消えてしまった今、再び2人が仲良くなることはなさそうだった。


「ありがとう2人とも」


あたしは力なくそう言い、ほほ笑んだのだった。