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ライバルがいたから頑張る事ができていた。


そんな事、考えたこともなかった。


あたしは家に帰り、自分の部屋でベッドにうつぶせになって寝転んでいた。


なにもやる気が起きない。


なにもしたくない。


考え事だってしたくないのに、頭の中には大雅と琉斗の事がグルグルと回っている。


あたしが2人の関係を切ったんだ。


それが原因で大雅はサッカーをする意味を失ってしまった。


あたしは大雅に輝いてほしくて、ただそれだけでやったのに……。


どうしてこんな結果を生んでしまったんだろう?


大雅は輝けるハズだった。


もっともっと上を目指せるハズだった。


なのにどうして、サッカーをやめるようになってしまったんだろう。


「こんなハズじゃなかったのに……」


呟き、スマホを見つめる。


あのアプリでは関係を切り取るしかできない。


その関係を修復することができれば、きっと大雅はまたサッカーを始めるのに……。


「どうすればいいの?」


あたしは茫然とした頭でそう呟いたのだった。