切リ取リマスカ?

「愛はちゃんと写ってたんだろ? どうしたんだよ心」


大雅が不安そうな表情になってあたしを見る。


「愛と紀子が一緒に写ってる写真がないんだ……」


違和感の正体を突き止めて、あたしはそう呟いた。


紀子が写っている写真の中に愛の姿がない。


だから写真の枚数が極端に少ないのだ。


「どうしたの心? 愛って誰?」


紀子が不思議そうな顔を浮かべてそう聞いて来た。


「なに言ってるの紀子……あたしたち、愛とずっと仲よかったじゃん!」


「おいおい、紀子、愛はクラスメートだろ? 名前くらい覚えててやれよ」


大雅が紀子へ向けて呆れたようにそう言った。


「クラスメートでそんな子いたっけ?」


紀子は本気でわからないと言う顔をして、首を傾げている。


「紀子と愛は昨日も仲良く話してたじゃん!」


あたしがそう言うと、大雅と紀子は同時に左右に首を振った。