「な……んで……」


喉から声が絞り出される。


言っちゃダメだという思いと、言ってしまいたいという気持ちが交互に訪れる。


「どうしたんだよ、心」


「……なんでもない。よかったね」


あたしは冷たくそう言うと、自分の席へと戻ったのだった。