あたしが大雅と琉斗の関係を切り取り、その矛盾を埋めるためにこんな事になってしまうなんて……。


そう思ったとき、楓先輩が動いた。


「大雅君、おはよぉ!」


大雅が歩いてくるのが見えたのか、そう言って走って行く。


「ちょっと、待って……!」


慌てて楓先輩の後を追いかけようとするが、足を絡ませてその場に転んでしまった。


「ちょっと心、大丈夫?」


紀子がすぐにあたしに手を差し伸べて来る。


顔を上げると楓先輩からクッキーをもらってる大雅の姿が見えて、あたしはその場から起き上がる事すらできなくなっていたのだった……。