体育の授業が終わり、更衣室で着替えているとき。


「なぁ純、聞いたか?」

苅田 洋二(かりた ようじ)が、上半身はだかで近づいてきた。

「なに、洋二…。てか服着てよ」

苦笑しながらなにをか尋ねると、洋二は上の制服を着てにやっと笑った。

「転校生!来るらしいぜ。しかも女」

しかも女 のところだけを小声で言う。
僕は鞄に体操服を畳んでいれて、へぇ~と言う。

「なんだよ、興味ないの?」

と、つまんなそうに洋二は言って、乗り出していた身を引いた。

「まぁね。転校生は転校生だよ、男子でも女子でも快く迎えてあげなきゃね」

僕はそういって、洋二に いくよ とだけ言い、ふわりときびすを返した。

洋二は あああ、待って! と後ろで叫んでいる。


…転校生か…。
まぁ、どうでもいいか。