コーヒーをまた啜り、先生は溜息交じりに零す。

 「私の愛は妄信的であり、異常。人に見せれば過激。あなたを理解しあなたを認識するのは私だけだなんて何ということか。私が喜べるこの状況で私が介入するはずがない」

 何を言っているのか理解できない。

 先生は難しい言葉ばかり使うから、何を言っているのか全然わからない事が多い。

 「先生は…私がどうなってもいいのね…」

 「ええ」

 きっぱりと頷かれ、なんだか肩透かしな気分だった。

 好きなら普通は護りたいものじゃないの?

 それが教師ならなおさら。

 でも先生は優雅にコーヒーなんか飲みながら、熱っぽい目で私を見るだけ。

 「…バカにして」

 「バカに?ええ、まぁしてますね。あなたが私の事を少しも理解していないことに対してだけ言えば、随分とあなたをバカにしている。そしてあなたも私をバカにしている。利用しているつもりなら思い知ればいい。私はあなたの思い通りにはなりませんよ。あなたを愛している。私はそれだけでいいのですから」

 「だから!意味わかんないって!」