「それで?今回は誰に何を言われたのです?」
私を見透かす先生。
「誰に…なんてわからないわよ。私はもう結構前から全員に嫌われてるもの」
理由なんか知らない。
私は何時だってクラスの的で、私は標的で、それが変わることは何時もなかった。
「…一応聞きますが、怪我などをしていませんか?」
「まったく」
手出しなんてしてこない。ウジ虫に触るのが嫌な様に、汚いモノに触れる者なんていないかのように、私はただ的でありながら、空気だった。
「それならいいではありませんか」
教師らしからぬ発言に歯を食いしばった。
いい?よくない。
その場にいながらにして存在を否定されることがいいだなんて思えない。
手を出されないだけマシ?
そんな考え出来るはずない。



