「もう終わったんだし、ヒロミチくんと比べること自体、おかしいのよ。だから、悩むことじゃないの。」
「でもさ、初めてだったんじゃないの?千尋が自分から心を動かされた相手。」
「そうだよ。千尋の初恋じゃない。」
美樹と葉子が2人で私にたたみかける。
「こんなの気の迷いだよ。すぐ忘れるよ。」
「だって、千尋は本当はヒロミチくんのこと、好きじゃないでしょ。」
「そんなわけないでしょ。いい人だし、尊敬してる。」
「キス、したくなかったんでしょ?」
「そんなの昔の話でしょ。」
「エッチだって、したくないんじゃない?」
「。。。ちゃんとしてるもん。」
本当は、ヒロミチくんに交際を申し込まれた時、少し躊躇した。顔が好みじゃなかったのだ。だけど私は、顔を理由に交際を断るかどうかで、自分の人間性を試されているような気がして、断ることができなかった。第一、地味女の私が選り好みしている時点でおこがましいのだ。
しばらく付き合ってみても、彼には明確にダメだといえる点が何も無くて、交際を断るチャンスはどんどんなくなった。彼は本当に誠実で、真面目で、優秀な上に、私に夢中だったからだ。
私のファーストキスは、嬉しくもなく、だからといって悲しいという程でもなく、少し残念な気持ちが残った。初体験は何の準備も知識も無かったから、ただもう痛くて、喜んで舞い上がっている彼が、とても鬱陶しかった。でも、全ての人が幸せな恋をして結婚をするわけでもない。せっかく私が好きだと言ってくれる人がいるのだから、それで良いではないか。
「でもさ、初めてだったんじゃないの?千尋が自分から心を動かされた相手。」
「そうだよ。千尋の初恋じゃない。」
美樹と葉子が2人で私にたたみかける。
「こんなの気の迷いだよ。すぐ忘れるよ。」
「だって、千尋は本当はヒロミチくんのこと、好きじゃないでしょ。」
「そんなわけないでしょ。いい人だし、尊敬してる。」
「キス、したくなかったんでしょ?」
「そんなの昔の話でしょ。」
「エッチだって、したくないんじゃない?」
「。。。ちゃんとしてるもん。」
本当は、ヒロミチくんに交際を申し込まれた時、少し躊躇した。顔が好みじゃなかったのだ。だけど私は、顔を理由に交際を断るかどうかで、自分の人間性を試されているような気がして、断ることができなかった。第一、地味女の私が選り好みしている時点でおこがましいのだ。
しばらく付き合ってみても、彼には明確にダメだといえる点が何も無くて、交際を断るチャンスはどんどんなくなった。彼は本当に誠実で、真面目で、優秀な上に、私に夢中だったからだ。
私のファーストキスは、嬉しくもなく、だからといって悲しいという程でもなく、少し残念な気持ちが残った。初体験は何の準備も知識も無かったから、ただもう痛くて、喜んで舞い上がっている彼が、とても鬱陶しかった。でも、全ての人が幸せな恋をして結婚をするわけでもない。せっかく私が好きだと言ってくれる人がいるのだから、それで良いではないか。


