教室に帰ってから、わたしは心ちゃんに聞いてみた。 「心ちゃんはアヤノさんって知ってる?」 「ん?アヤノ先輩のことだよね。テニス部の先輩だよ」 ていうことは遠藤先輩とも同じ部活なんだ。 うーん。なんだか、モヤモヤ。 目を伏せていると、心ちゃんはわたしの顔を覗き込んできた。 「ましろ、ついに初恋ですかー?学校いちの王子様に恋しちゃったー?」 「そっ、そんなんじゃなくて!!ただ、ちょっと気になって……」