ジワッと先輩のやさしさが胸に広がった。 「本当に……すみませんでした」 「だからもう謝らないでって」 「でも、わたし本当に最低です」 そうポツリとつぶやくと、先輩は首をかしげた。 そしてあろうことか、「なんで?」なんていう言葉を発した。 「最低ですよ!?今朝は先輩にぶつかって、放課後は先輩に黒板消しおとして、さっきは先輩に飲み物かけて!!……怒ってほしいです」 なのに、なんでそんなに優しく受け止めてくれるんですか?