わたしのコップにじゃない。わたしのコップはちゃんと左手の中におさまっている。 ぶつかったのはわたしの左側に座っている、遠藤先輩のコップだ。 「ごっ……ごめんなさい!!」 運悪く、飲み物が放射状に広がっている方向は遠藤先輩がいる方向。 テーブルからしたたり落ちる、遠藤先輩のコップに入っていたココアは床と遠藤先輩のズボンにシミを作っていく。 やらかしたやらかしたやらかした!! サーッと血の気が全身から引いていくのを感じる。 焦りながらカバンの中をさぐってハンドタオルを取り出す。