そうつぶやいた時だった。 背後から誰かに抱きしめられた。 ぎょっとして首だけ後ろに向けると、その先に見えたのは見慣れた優しい瞳とグレーのもこもこマフラー。 よ、よかった……。 「本気で、不審者かと思いました……」 「ごめん。裏口から入って驚かしたくなって」 「じゃあ作戦成功ですね。わたし、すっごく驚きました!!」 そう言うと先輩は抱きしめていたわたしを解放して、わたしの目の前にやってきた。 先輩、鼻のてっぺんがちょっと赤くなってる。