遠藤先輩にそう言われて目を凝らして前方を確認する。 進行方向にあるのは高校の入口。 そして、そのそばにあるカーブミラーのもとに立っている人がいた。 「あ……花絵先輩だ……」 『唯衣を手放して』 そう言われた日から会話を交わしていなかった花絵先輩。 ……ずっと、謝りたかったの。 遠藤先輩を手放せなくてごめんなさいって。