四ノ宮君、悪い人じゃないし。 心の奥底で誰かの悪口言う人とは思えない。 「……橘木、大丈夫か?」 「え?」 突然のわたしを気遣う言葉に首をかしげる。 大丈夫って……何が? わたしは元気だよ。 風邪もひいてないし、大けがだってしてない。 ……あっ、でも今朝ベッドの柱に足の小指ぶつけたっけ。