そう言って、先輩はわたしに背を向けて歩き出した。 しばらくして、先輩の姿も見えなくなって。 歩道の真ん中、ひとりおいてけぼりにされたわたし。 唯一遠藤先輩がわたしに残していったもの。 それは、激しい胸の鼓動。 そして……。 くすぶる唇の熱。 ただ、そのふたつだけ。