わたしも先輩も、夜空に携帯を向けた。

だけど……。



「「真っ暗」」



星は画面に映らなくて、わたしも先輩も同じ言葉を口にした。

ハモッたことがおかしくて、顔を見合わせて笑った。



「ははっ…うーん、シャッターつけたら人は認識してくれるかな。ふたりで撮ろうよ」



先輩はそう言って、カメラを内カメモードにしてわたしにズイッと近づいてきた。


突然近づいた距離にドキンッと心臓が高鳴る。