「そうだったんですか?」 テニスのテの字もかじったことがないわたしは、見てるだけじゃ選手の本気度なんて分からない。 だから全く気付かなかった。 「そうだったの。……でも、点もセット数もとられていってめちゃくちゃ焦って。結局負けるとかかっこ悪すぎ」 そんなこと……そんなこと、無い。 「過去最悪の試合だったよ。せっかく応援来てくれたのにごめんな」 そう言ってようやくわたしを見た先輩は、少し寂しそうな顔をしていた。 ―――ガシャンッ