芸能界というのは、きらびやかな世界ではない。

周りにいるのはみんなライバルで、昨日まで助け合っていた人と戦い合うかもしれない。




私の「芸能界」というものについてのイメージはこんなものだった。
いい加減な知識で大体の情報で、なんとなく知っているふりをしていた。




でも、その世界は、私のイメージを容赦なく崩していった。


言ってしまえばバカでもやっていける世界だと、そんなことを思ったこともあった。
普通とはちょっとズレた人たちが集まって、その個性や才能がたまたま当たって生きている運任せな世界だと思ったこともあった。



誰にだって、理想はあると思う。
憧れも、尊敬も、目標もあると思う。

でもただ追えば良い訳では無い。
犬みたいにまっすぐ追いかけたって、ダメなものはダメなんだ。

憧れたって、なれないものはなれない。


どんなに努力したって、必死になったって。

無駄だったと思うほど、報われないことがほとんどだ。




でも……


そんな中で、やっぱりみんな目指してるんだ。





スポットライトを。


スポットライトが当たるポディションを。


スポットライトが当たるチャンスを。


スポットライトが当たる生活を。





そのためなら、どんなことだってできる。
どこまでも追い詰められる。


...信じていた自分さえ、捨てることだってある。


そのために自分が狂っても、気付かずに「努力だ」と言い聞かせ思い違い自分を壊していく。

気づいた頃には翻弄されて、崩れて、自分というものが崩壊しているかもしれない。