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ピピピピピ……










「………。」

「……有梨様、起きてください。」

「………。」

「………起きないのなら、
無理矢理起こしましょうかねぇ…。」









朝のアラームと重なって


誰かがそう言う声が聞こえるけど





眠気とぼんやりした思考のせいで


声の主が誰なのか、
これが夢か現実のどちらか、

それすらよく分からなかった。








……夢……かな……?








そんなことを思って

再び、思考が鈍くなり始める。









しかし




そうしてそのまま寝ていると








不意に───



耳元で、誰かに囁かれた。












「……起きないのなら、抱きますよ?」












(─────ん?)









私はその言葉を聞いて

変な違和感を覚える。









…夢にしては ちょっと発言がディープすぎません?









そう思って

私はゆっくりと、重たい瞼を開けて



朝の光に照らされる
目の前の───"黒い何か"を、視界にとらえた。











「おはようございます。有梨様。」

「………わぁあっ?!?」










すると


私の目の前にいたのは









白いワイシャツを

ボタンも留めずに素肌に羽織っているだけの状態で







私の上に跨る─────幸次郎さんの姿。