隆司は私に「信じて」とか「安心して」と言う事が増えた…。

飲み会ばかり。

だけど連絡がくると「子供に会いたい…」

また…始まった…

「今ならやり直せるよ…子供、引き取れるように頑張ってみたら?」

「いや…それは無理。子供の事、思い出して泣いた…」

「私、別れようか?子供とのこれからを考えた方がいいよ?」

「いや…歩花と一緒になりたいし、子供が遊びに来たい時は理解してほしい…」


このやり取りが増えた。

週末は隆司が家に来る。

その時にきちんと話そうと決めた。


一緒にアウトレットパークに行ったり、プリクラ撮ったり楽しい時間を過ごした。

私は「この人が最後の人」と決めた時に渡そうとキーホルダーを買っていた。

お揃いの…。

隆司にその話しをしたら、

「ありがとう。大切にする。歩花の最後の人だから」

「私、重たくない?大丈夫?」

「俺、嫁もそうだったから慣れてるし、重いとか思わないから…」

「何かあったら言ってね…」

「大丈夫だよ」

「よかった…」

「俺がいちいち言わなくても、態度で俺の気持ちを読んでほしい…」

「難しいね…それ」

「なんとなくわかるよな?」

「まぁ…」

隆司は自己中だ。

全て自分の都合。

私の周りの男の子の話しは面白くなさそうに聞く。

だけど、自分の事になると話し続ける…勝手だ。


ブレスレットもお揃い…


曖昧な事を言われる度に不安になる…。


「家に他の女の子はあげないでね」

「あげてないよ…」


その日から1週間後、隆司の家に行った。

変な胸騒ぎがした…。

ダブルベッドにシングルの布団が2枚…

隆司は基本、一人の時はソファーで寝る。

それなのに…ベッドには布団が2枚。

おかしい…。

隆司がトイレに行くとこの場を立った時に、布団を捲った…肩ぐらいの髪の毛…明らかに私のではない…

トイレから戻った隆司は、

「どうした?」

「これ…何?」

「この前の飲み会に来てた子の子供が寝たんだ」

「へぇ…」

「俺は何もないから」

私に背を向けてそう言った。


何かあった…そう言っているようだった…。


何事もなかったかのように私を抱いて、自分だけ満足して寝てしまった。


一つ気になりだすと次から次に気になる。


少し前は未来を語っていたのにね…

歩花と一緒に住みたいって言っていたのにね…


最近は何でも言葉を濁すようになったね?


信じれないよ…隆司。


私はどうしたらいい?

隆司の変化を見て、身を引けばいいの?

都合良すぎない?

そんな事ばかり考えてしまっていた。


恋はやっぱり私に向いていない…わかっていたのに…

隆司が遠く感じる…もっとしっかりしてると思っていたから…始めてしまったよ…恋…。