仮に君と恋をしたなら




「怒ってるんじゃないよ。ただ、山田がしんどい時に俺のために無理してほしくないってだけ。山田が弁当作ってくれたとかスゲー嬉しいし、そんなの俺はいつだって喜んで食うからさ、だからそんな熱だしてまですんな。な?」



真山が心配して言ってくれてるのに、私は悠と張り合う気持ちとか真山に喜んで欲しいとか自分の気持ちばっかりで突っ走ってしまった。



「…分かった。ごめん」

「あと、1個約束して」

「何?」

「あんま、小宮小宮言うな。か、仮にも一応彼氏の前で」



彼氏。未だに私も真山もそういう類いのワードに慣れない。親友として過ごしてきた時間が長すぎて、恋人の真似事をしている最中でもまだ一々照れてしまう。



「何それ。冗談のつもり?照れるなら言わなきゃいいのに」

「うるせー、半分本気だよ」



半分本気って、結局どっちなの…。どういう反応したら良いのよ。



「おい、黙んなよ」

「だって、ケホッケホ…」

「ちょ、大丈夫か?」



真山は慌てて私の背中を擦ってくれた。その後は私の手を引いて少し前を歩き、学校へ着くと、いつもより騒がしいグラウンドを通りすぎて保健室まで連行された。私は保健室の前で真山の手を振り払った。