翌朝5時にセットした目覚ましよりも先に目覚めると、私はとりあえず体温計で熱を測った。37.8度、高熱寄りの微熱だった。どうりで身体が火照り気味だ。意識はしっかりしているし、足腰も問題無さそうだと安堵し、私は台所に立った。
慣れない手つきで調理用具を持ち、お弁当作りに果敢に挑んでいった。一歩間違えれば血を見る戦いだった。何度も肝を冷やしながら、流血は避けて何とか完成することが出来た。
私は火傷したところを保冷剤で冷やし、皮膚の爛れた部分を絆創膏で処置した。
「あら、どうしたの?普段台所になんて立たないくせに。お弁当なんて…彼氏でも出来た?隼くん?隼くん?」
「うるさいなー、そうだよ!もう、あっち行ってて」
「やっとなの?!あなたたちやっとお互い好きだって認めたのね?お母さんいつかいつかと待ちくたびれたわよ」
認めた?というか、恋人ごっこだけど。そんなに喜ばれると罪悪感を感じる。
「また、家に連れてきなさいよ!おかあさんも隼くんに会いたいわ」
「今日の体育祭見に来るなら会えるじゃん」
本当は毎朝、迎えに来てくれてることは黙っておこう。遅刻しかねない。おかあさんは妙に真山を気に入っているからな。


