仮に君と恋をしたなら




「もう一人の日直は?」

「榊(サカキ)。美化委員だよ」

「全部押し付けてったの?」

「ううん。放課後委員会あるからって、それまでの雑用とか率先してしてくれたよ」



真山はそれを聞いて少し安心した。



「なんか手伝うか?」

「あと日誌だけだから大丈夫、ありがとう」



真山に見られながら日誌を書くのに悠は緊張した。



「震えてる」



悠はペンを握る手が震えているのを真山に気づかれてしまい赤面した。



「急にどうした?」

「どうしたんだろ、あはは」

「貸してみ」



悠は真山にペンを渡そうと手を差し出すと、両手で悠の手をギュッと包んだ。



「?!」



悠は驚きすぎてペンを机に落としてしまい、固まった。



「深く息吸って、深呼吸」



悠は真山の言う通りにした。手に心臓が移動したかのように悠の手は激しく脈打ち熱を帯びた。真山はゆっくり手を離した。



「止まったな」



悠の手の震えは止まったが、手が熱くジンジンして感覚は麻痺していた。



「俺が代わりに書いても良かったんだけど、俺、字汚いから…山田にも読めないってよく言われるしな。手、いきなり触って不快だったらごめん」

「全然!むしろ嬉し…や、今のナシ」



悠は慌てて口走った言葉に戸惑った。