仮に君と恋をしたなら




悠は教室に戻ると、他の生徒と真山がまだ教室に残っているのを確認した。悠は日直の仕事を淡々と一人でこなしていく。次第に生徒も帰っていき、真山と教室に二人になった。真山は携帯ゲームに夢中になって遊んでいた。

悠は緊張しながら少しずつ、真山に近づいて行った。すると、気配を察知し、真山は携帯ゲームの途中で顔を上げた。



「ま、真山はまだ帰んないの?」

「おー、山田待ってる。あ、大塚日直か。悪い、もしかしてもう、教室閉める?俺、閉めとくから…」

「あー、ううん。まだ日誌全然書けてないから。まだ大丈夫」

「そっか。終わって、まだ山田戻ってなかったら、俺、鍵閉めやっとくから」



悠は自分の席へ向かい筆記用具を取り出し、再び真山の席の前に座って、真山の机の上に日誌を置いた。



「ここでやってもいい?何か、教室広く感じて…ぼっち感がするっていうか…」

「いいよ、俺、机使わねーし」



真山は椅子の背もたれに背中を預けるように座ったまま携帯ゲームを再開した。悠は日誌を開いてペンを持った。



「ねぇ、真山は…」

「ん?」

「実都のどういうところ好きになったの?」

「え?! …あぁ!負けた!や…どういうところって…」



真山は携帯ゲームを止めて、携帯をポケットに直しこんだ。