天気予報は随分前から、
気にしなくなった。

雨でも、晴れでも、曇りでも、
そんなに対して自分の一日を
大きく左右はしないからだ。

スマホの液晶に表示された時間は、
もう既に13時を過ぎている。

目覚まし兼用のスマホアラームに、
急かされ起こされる毎日を
少しだけ忘れる事ができる休日。

休日といえば聞こえはいいが、
予定が入っている訳でもない。

仕事以外のスケジュールなんか、
随分前からほぼ立てなくなった。

お気に入りの手帳を持つことと、
計画を立てる事に、
妙に大人っぽさを感じていたのは、
もう彼此いつの話だろうか。

現在時刻の確認と同時に、
メール受信の騒ぎっぷりに、
ウンザリしながら寝返りをうつ。

最近登録したばかりの婚活アプリ。

何十回も無理した角度で
撮影した自撮り写真と、
適当に綺麗ごとを
プロフィールに載せて登録すると、
出会いが勝手に発生するという仕組みだ。

女性という生き物の場合は、
登録は無料らしいので、
何かを期待して登録してはみたものの。

今ではすっかりアラームよりも、
目覚めの悪い寝起きを演出している。

会ったこともない、
誰かもよく知らない人から、
外見とプロフィールだけで精査され、
一方的にメッセージが大量に届く。

トキメク暇さえ与えられない、
ただの流れ作業的出会い。

こんな出会いにしか縋れない、
己の情けなさも混じり合って、
スマホをとりあえず枕元の隅に追いやる。

数秒後にはズレ落ちて、
バタンッと落ちるのも分かってる。

くたびれた充電ケーブルが、
視界に入るがこれまた慣れた光景だ。

普通の恋愛って、なんだったっけ。

そんな言葉が何故か、
ふと私の頭を過ぎる。