私が森本くんの機転とそのお気持ちがうれしくてニコニコしていると、当の本人が、なぜか顔を赤らめてそっぽを向いてしまわれました。


「?」

「委員長の無邪気な笑顔って結構威力あるな・・・」


なにやらブツブツとおっしゃっていますが、はっきりと聞き取れません。


「森本くん・・・?」


私が彼の声を聞き取ろうと一歩近づくと、大急ぎでこちらを向き、


「と、とにかく!委員長は午前の最後の競技、障害物競走の競技中のアシスト役と交代だから!!頼んだぞ!」


とまくし立てるように言われました。


「はい!障害物競走のアシスト役ですね!すぐに詳細を確認してきます」


この件に関しては「恩人=森本くん」に近い気持ちで、元気よく返事をした私は、実行委員長のところへ詳細確認に向かったのでした。

その背後で森本くんが


「やべぇ・・・なんか委員長がかわいく見える」


なんてつぶやいているとも知らずに。