一気にしゃべって乾いたのどを潤すために、水を飲み干す。

土曜の深夜にラーメンを食べながら、ゲストーク。
こんな私の姿は、当然慎吾には見せられない。


「......じゃあ、まあ、いいけど。

それで上手くいって結婚したとしても、若い愛人に走って捨てられたりしたら終わりじゃない?
今は九条も真由に惚れてるかもしれないけど、金持ちのオッサンが浮気したり愛人作ったりなんて、それこそよくある話だろ」

「不倫、愛人、ばっちこいよ」

「......は?いいの?」


当たり前でしょ?
そもそも少々の浮気でガタガタ言うようなら、ハナから御曹司なんて狙ってない。


「慎吾が浮気したとしても、バレないようにやってくれるなら何も問題はないし、もし気づいたとしても、慎吾が私にそれ以上のもの(お金)を与えてくれるなら、私は目をつぶる。

若い愛人に走るなら、それで結構。
ただ当然、慰謝料はがっつり請求させてもらうわよ?

出し渋るようなら、法定争いも辞さない考えよ。
そのために、私は裁判で不利にならないよう、貞淑な妻を演じるし、慎吾に尽くすつもり」


慎吾が浮気しても、私が浮気することは絶対にない。
 
もちろん男は良くて女はダメ、なんて、そんなバカげた理由じゃなくて、もし泥沼化して裁判に持ち込まれた場合に、がっつり慰謝料を請求するため。